Aquaponics
水産養殖を意味する"Aquaculture"と、水耕栽培の"Hydroponics"から成る語。
daden.ckep.infoのprojectページ: https://daden.ckep.info/project/aquaponics-plants/
構成
用途や条件などにより、いくつかの構成が考えられる。
上部開放型
- 一株型:
一株ごとに小分けし、薄く張った水の上に並べる方式。水の量に対して開放面積が広いので蒸発しやすいが腐りにくい。
小分けの方法は「スポンジを並べる」「お茶パックにパーライト」が多い。発芽フェーズではどの方式でも前者のスポンジ方式を利用する。
- プランタ型:
通常のプランター栽培と似た形状で、土をハイドロボールに置き換え水を循環させる方式。水を循環させないと根腐れしやすい。
内容物や水の流入・流出、水位を調整することで、水槽の上部式フィルターとして運用することができる。
- ユニット型:
ペットボトルなどを利用して一株ごとのプランタ型にする。純粋なプランタ型より水換えなどの管理がしやすく密閉しやすいが場所をとる。
- 密閉型:
既製品の水耕栽培キットに多い。できるだけ空気に触れる面積を少なくすることで蒸発しづらくしている。ただし、水の追加や交換をスムーズに行うには設備に工夫が必要。
- 箱型:
既製品の水耕栽培キットはこれ。箱の上に穴が開いており、そこにスポンジを使用して植える。
- 大型システム:
屋外設備や工場など個人向けでない構成。調査中。
各構成要素
育てる植物
一般に豆類、葉もの、一部の野菜(トマト・イチゴなど)、球根、多肉植物、観葉植物などが選択肢になる。先行例を個別に調べるのが無難。
液肥
土壌を使用しない以上、肥料を与える必要がある。
- ハイポニカ
一番有名。液肥で、1液タイプと2液タイプがある。
- ハイポネックス 微粉
有名なハイポネックスの中で水耕栽培に対応しているもの。入手しやすい。
ほかにも、アクアポニックスではアクアリウムの生体の廃水を生体ろ過層で変換して利用することができる。
保温設備
保温用銀マットなど。ヒーターを使うと費用対効果が悪くて死ぬ。黒シートは夏がヤバいらしい。
照明
成長促成用の照明。赤と青が重要らしい。割合は2:1(詳細不明)がいいらしい。緑はいらない。
照明に関する研究
http://karapaia.com/archives/52277415.html
短いスパンで点滅させることにより電気代を削減できるという研究
https://gigazine.net/news/20190725-lights-on-and-off-agriculture/
同上
給水装置
ポンプを利用したもの、大気圧を利用したもの等さまざま。給水の手間を考慮する必要がある。
エアレーション
水に空気を送り込むことで根腐れを防ぐ、ということになっているが不明。嫌気性細菌の繁殖を防げるらしい。魚に比べてその重要性は低い。
一般に、エアポンプを使用するか高いところから水を落とすことで行う。
エアレーションの代わりとして、サイフォンの原理を利用して水位を変化させる(満水になるたびに一度水を抜く)仕掛けを使うこともあるみたい。
培地
水に対して植物が自立できるわけではないので何らかの支えがいる。
主に、次のような機能が要求される。
- イオン交換
根腐れ防止になるらしいが不明
- 硬度/pHの安定
イオン交換の目的はこれらしいけど不明
- 保水
- バクテリアの定着
アクアポニックスでは生物濾過層としてアンモニアを分解する役割を持つ。
上記の機能を満たすため、以下のような材料が選択肢になる。
- スポンジ
以下のどの培地を利用する場合でもスポンジとの組み合わせになる。安い。カビとかに注意。
密度や硬さにより水の吸い方や根の張り方が変わってくる。メラミンスポンジは硬くて密度が高く、評判が悪い。
使用前に、水につけて十分に空気を抜いておく必要がある。空気を含んだ状態では水を吸いづらい。
- 吸水性ポリマー
どこをみても評判が悪い。植物が水を吸えないらしい。
- ハイドロボール
粘土を高温で焼いて発泡させて作る多孔質の球。
- パーライト
パーライト原石や珪藻土等を高温で熱処理してできる人工発泡体。
- ゼオライト
沸石。細かい粉末は根腐れ防止剤として販売されている。
資料
先行例
既製品・キット
まとめ記事